無形

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ある絵本作家が今でもずっと大好きで、その理由は明快に解ける。物心ついた頃から家には彼の絵本が何冊もあり、それは母親が大好きなもので何度も一緒に読んでくれた。僕は母親が大好きだから母親が大好きなものを僕も大好きになるのにさほど時間はかからなかった。

黎明の環

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丁寧に、ゆっくりと、1日に隙間や余白をと思いながらも、振り返れば沓の子を打つような日々を過ぎ行き、自分の後ろにどんなものを残してきたか、自分の前にこれからどんな景色が待っているのかをぐるりと見渡してみる。できるならば、自分の背中がどれだけくたびれているのかを、こうやって見つめたいのだけれど。